家づくりを考え始めると、よく目にする「家事ラク」という言葉。
「洗濯がラクになるランドリールーム」
「ぐるっと回れる回遊動線」
「家族の服をまとめて収納できるファミリークローゼット」
「キッチンと水まわりを近くした間取り」
Instagramや住宅会社の施工事例を見て、
「これ、絶対ほしい!」
と思ったことがある方も多いのではないでしょうか?
毎日のことだからこそ、少しでも家事がラクになる家にしたいですよね!
でも実は…
家事ラクな間取りをたくさん取り入れたからといって、必ず家事がラクになるとは限りません。
なぜなら、家事で「面倒」と感じることは、家族によって違うからです。
〇洗濯物を干すのが嫌な人。
〇畳むのが嫌な人。
料理より、食べた後の片付けが嫌な人。
〇掃除機をかけることより、床にある物を片付けることが面倒な人。
家事ラクな家をつくるために、まず考えたいのは「人気の間取り」ではありません。
今回は、家事ラクな家を考える前に知っておきたいことについてお話しします。

(人気の間取りより大切なものは?)
家事動線を考える時によく言われるのが、
「できるだけ移動距離を短くしましょう」
ということ。もちろん、これは大切です。キッチンと洗面室が近かったり、洗濯する場所と干す場所が近かったりすれば、家の中を何度も行ったり来たりする必要がありません。
ですが、動線が短ければ、それだけで家事がラクになるのでしょうか…?
例えば洗濯!
「洗う→干す→取り込む→畳む→しまう」
という一連の作業があります。この中で、
「干すのは別に苦じゃない。でも、畳んで家族それぞれの部屋に持っていくのが本当に面倒!」
という方なら、干す場所よりも「しまう場所」を近くした方がラクになります。
反対に、
「とにかく洗濯物を干すのが嫌!」
という方なら、乾燥機を使ったり、室内干ししやすいスペースをつくったりする方が効果的かもしれません。同じ「洗濯をラクにしたい」という希望でも、必要な間取りや設備は違います。だからまずは、
「洗濯をラクにしたい」
ではなく、
「洗濯の何が一番面倒?」
まで考えてみることが大切です。
最近人気のファミリークローゼット。家族の衣類を一か所にまとめられるので、洗濯物を各部屋まで運ぶ手間を減らせるのが大きなメリットです。
ランドリールームの近くにつくれば、洗う→干す→しまうという流れも短くできます。では、どの家庭にもファミリークローゼットがあった方がいいのでしょうか。
実は、これも家族次第。
例えば、
「着替えは自分の部屋でしたい」
という家族なら、結局それぞれの個室にも服を置くようになるかもしれません。
子どもが成長すると、
「自分の服は自分の部屋に置きたい」
となることもあります。
逆に、
「家族みんな1階で着替える」
「洗濯物を各部屋に持っていくのがとにかく嫌」
というご家庭なら、とても便利です。大切なのは、
「ファミクロが人気だからつくる」
ではなく、
「我が家はどこで着替える?」
と考えること。人気の間取りが、自分たちにも合うとは限らないんです!
キッチンから洗面室へ。
洗面室からファミリークローゼットへ。
そこから玄関やリビングへ。
行き止まりがなく、ぐるっと回れる回遊動線も人気があります。
確かに、複数の方向から出入りできると便利な場面があります。朝、家族が同じ場所に集まっても動きやすかったり、家事をしながら移動しやすかったり…。
ただし、回遊できるようにするためには、出入口が増えます。出入口が増えるということは、その部分には収納棚や家具を置けなくなる場合もあります。
「回れるようにしたけれど、その分収納が減ってしまった」
となれば、本当に暮らしやすくなったのかは考えたいところです。回遊動線そのものが目的ではなく、
「朝、洗面室の前で家族が渋滞するのを減らしたい」
「料理をしながら洗濯もしたい」
など、解決したいことがあって初めて活きてくるもの。
「回れる家って便利そう!」
だけで決めず、
「我が家は、なぜ回りたい?」
まで考えてみると、本当に必要かどうかが見えてきます。
家事動線を短くするために、
「キッチンの近くに洗面室やランドリールームを配置したい」
というご希望もよくあります。料理をしながら洗濯機を回したり、お風呂の準備をしたり。同時進行しやすいのは大きなメリットです。
ただ、ここでも考えたいのが、
「いつ家事をしているか」。
朝に洗濯する家庭もあれば、夜にまとめてする家庭もあります。
料理をしながら洗濯する家庭もあれば、乾燥機を使うので洗濯中はほとんど何もしない家庭もあります。
共働きなのか。
子どもがまだ小さいのか。
家族の誰が家事を担当するのか。
生活時間によって、使いやすい間取りは変わります。だから、「キッチンと水まわりは近い方がいい」という一般的な正解だけで決めるのではなく、
朝起きてから家を出るまで。
帰宅してから寝るまで。
一度、自分たちの一日を順番に思い浮かべてみるのがおすすめです。
料理、洗濯、掃除。
家事と聞くと、まずこの3つを思い浮かべるかもしれません。
でも実際の暮らしには、それ以外の小さな家事がたくさんあります。
✅買ってきた日用品をしまう。
✅郵便物を仕分けする。
✅子どものプリントを確認する。
✅ランドセルを片付ける。
✅脱いだ上着を掛ける。
✅ゴミをまとめる。
✅シャンプーを補充する。
✅洗った水筒をしまう。
一つひとつは数分で終わること。でも、毎日何度も積み重なると、意外と負担になります。そして、こうした「名もなき家事」は、収納の場所や間取りによって減らせることがあります。
例えば、帰宅した子どものランドセル。
子ども部屋まで持っていく間取りより、帰宅動線上に置き場所があった方が片付けやすい。
買い置きの日用品も、玄関から遠い場所に収納するより、運び込みやすい場所に収納があれば少しラク。
「家事ラク」というと、大きなランドリールームや最新設備に目が向きがちですが、
毎日の小さな「面倒」を減らすことも、立派な家事ラクです。
もう一つ、家づくりの時に考えてみてほしいことがあります。
それは、
「新しい家で、何をやらない?」
ということ。例えば、
洗濯物を畳まない。
バスタオルを家族それぞれの部屋まで持っていかない。
掃除のために家具を毎回動かさない。
子どもの物を親が全部片付けない。
玄関に出ている靴を毎回しまわない。
家事をラクにするというと、
「どうすれば効率よくできるか」
を考えがちです。
でも、そもそもその家事をしなくても済む仕組みにできないか?と考えると、間取りの見え方が変わります。
洗濯物を畳みたくないなら、ハンガーのまま収納できるようにする。
掃除をラクにしたいなら、床に物を置かなくて済む収納を考える。
子どもに自分で片付けてほしいなら、子どもの手が届く場所に収納をつくる。
「ラクにやる」だけではなく、「やらなくていい」まで考える。
これも家づくりだからできることです。
家づくりを始めると、
「ランドリールームは何帖必要?」
「ファミクロはつくった方がいい?」
「回遊動線にした方が便利?」
と、つい間取りや設備から考えてしまいます。
でも、その前に一度、
「私は、家事の何が嫌なんだろう?」
と考えてみてください。
洗濯物を運ぶこと?
畳むこと?
毎朝散らかったリビングを片付けること?
買い物から帰ってきて、重い荷物をキッチンまで運ぶこと?
子どもに何度も「片付けて!」と言うこと?
答えは、ご家庭によって違います。だからこそ、家事ラクの正解も一つではありません。人気の間取りを全部採用することより、
「これがなくなったら、毎日ちょっと嬉しい」
を見つける。そこから間取りを考える方が、本当に自分たちに合った家事ラクな家に近づけるのではないでしょうか。
ランドリールームも、ファミリークローゼットも、回遊動線も、とても便利な間取りです。
でも、それを採用すること自体が目的になってしまうと、
「せっかくつくったのに、思ったほど使わなかった」
となることもあります。
大切なのは、人気かどうかではなく、自分たちの暮らしに合っているか。
家族の人数も違えば、生活時間も、家事の分担も、「面倒」と感じることも違います。だから、家づくりにも全員に共通する一つの正解があるわけではありません。まずは今の暮らしの中にある、
「これ、毎日面倒だな」
を探してみる。
そこに、これから建てる家をもっと暮らしやすくするヒントが隠れているかもしれません。
坂井建設では、家づくり無料相談会を開催しています。
「家事ラクな間取りにしたいけれど、何が自分たちに合うか分からない」
「ファミリークローゼットって本当に必要?」
「今の家で不便に感じていることを、新しい家では解消したい」
そんな段階でも大丈夫です。最初から理想の間取りが決まっている必要はありません。むしろ、
「朝はいつもここでバタバタする」
「洗濯物を片付けるのが嫌」
「子どもの物がいつもリビングに集まる」
そんな普段の何気ない話を聞かせてください。
家族によって、暮らし方は違います。
だから、家事ラクの正解も家族の数だけあります。人気の間取りに暮らしを合わせるのではなく、自分たちの暮らしに、間取りを合わせる。毎日の「ちょっと面倒」が少し減って、その分、家族と過ごしたり、ゆっくりしたりする時間が増える。
そんな家づくりを、一緒に考えてみませんか?
